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このようなビジネスの「個人化」は、企業組織や企業戦略のあり方を根本から変えるだろう。
また、多くの売り手と多くの買い手がマーケットで出合って、商品の価格が決まるという伝統的な経済理論も、ビジネスの「個人化」によって大きな修正を余儀なくされるだろう。 経済学のO提であった「一物一価の法則」が、インターネット・オークションの登場で崩れはじめている現象などは、このことを予感させるに十分である。
第二は、売り手と買い手がワンツーワンで直結する結果、売り手と買い手を仲介してきた問屋、販売店、支店、代理店などの既存の流通業者が「中抜き」される現象が不可避となり、産業組織に劇的な変化が起こるということである。 GDPに占めるこれら中間業者の比率は、どの程度の範囲を考えるかで変わってくるが、おそらく40%は下まわらないだろう。
言ってみれば、売り手と買い手の間に存在した「不確実性」という深い溝を埋めていた流通業界の仕事が、インターネット革命で変質し、経済構造を様変わりさせていく手と買い手の仲介という仕事以外の新しい付加価値を創出することが存続の前提条件になる。 はっきりしているのは、インターネットで代替できるような商品の売り方をしているかぎり、取引コストを劇的に低下させるネット販売に勝つことは難しいということだ。
これからの流通業者に求められているのは、インターネットには決してできないようなハイタッチのビジネスモデルを構築することである。 もちろん、「中抜き」は企業組織の内部でも急速に進んでいる。
現場とトップが直結するようになった結果、中間管理職やホワイトカラーの組織内部における「情報仲介者」としての役割が変質したためだ。 その結果、職場環境の変化に対応できなかったホワイトカラーと、新たなビジネスモデルの構築に乗り出した新たなエリート層の間に「デジタル・デバィド」という名の大きな所得格差が生まれはじめた。
「デジタル・デバイド」は今後、個人レベルだけではなく、企業間、産業間、国家間といったさまざまなレベルで深刻な問題を提起することになるだろう。 第三は、「個人化」が進む結果、ビジネスの中心は単なるモノの売買から、顧客が望むキメ細かいサービスに転換していくという視点である。
情報処理のためのコストが高く、「個人化」された情報が自由に流通できなかったこれまでの時代には、画一化された商品を大量に作って商店に並べておくというビジネスが主流にならざるを得なかったが、「個人化」情報が自由に低コストで流通するインターネットの時代には、個人個人が実現したいと思うライフスタイルに添ったキメ細かいサービスの提供が競争力の源泉になる。

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